Grokはもともと会話AIとして始まりましたが、xAIは2024年末に画像生成機能も追加しました。今のGrok Imagineは画像だけでなく短動画も生成でき、Grokと同じチャット画面の中で完結します。

無料で使えるのか、どこまでできるのか。この記事でGrok Imagineの全体像を整理します。

Grok Imagineとは

Grok ImagineはxAIがGrokに内蔵したAI画像・短動画生成機能です。最初の基盤モデルはAuroraで、2024年12月に登場しました。2026年8月7日に公開されたImagine Image 2.0は、grok.com/imagineとiOS・AndroidアプリのQuality Modeになっています。xAIによると、レイアウトや小さな文字がより鮮明になり、指定した領域を正確に編集できます(公式発表)。

Auroraの技術的な立ち位置はStable DiffusionやDALL-Eとは違います。拡散モデルではなく、**自回帰MoE(Mixture of Experts)**を使っています。この違いが実際の体験に影響するのが、画像内テキストの描画精度です。拡散モデルで生成した画像には英語のスペルミスや文字化けがよく起きますが、Auroraはアーキテクチャが違うため、この問題への対処が明らかに優れています。キャッチコピー入りのバナーや、ブランド名が入った製品画像を作りたい場面では、この差がはっきりわかります。

機能はGrokの「Imagine」タブに集約されており、入口は3つ:

  • grok.com のImagineタブ(ブラウザ版、最も機能が揃っている)
  • X app / x.com 内のGrokインターフェース
  • Grok iOS / Android アプリ

どの入口でも、XアカウントまたはxAIアカウントでのログインが必要です。

Grok Imagineの使い方

手順はシンプルです:

  1. grok.com またはGrokアプリを開いてログイン
  2. プランを確認:無料版は1日あたり限られた画像生成枠があり、動画にはPremium以上の有料プランが必要
  3. 「Imagine」タブを開く
  4. プロンプトを入力(被写体+動作+シーン+スタイル+技術的な詳細)
  5. アスペクト比を選ぶ(横長・縦長・正方形など)
  6. Generateを押す。画像は約3〜5秒。Video 1.5 Fastでは6秒・720pの動画を約25秒で生成できる
  7. 気に入らなければRegenerateを押すか、同じ会話内で追加指示を入れて微調整(「光をもっと暗くして」「背景の人を消して」など)
  8. ダウンロード、またはXに直接シェア

プロンプトは具体的であるほど良い結果が出ます。被写体の外形・動き・背景・光・カメラアングル・スタイルを書けるだけ書き込む。Grokは同じ会話内で前の画像と指示を記憶しているので、毎回プロンプトを一から書き直す必要はなく、追加の一言で調整するほうが効率的です。

Grok Imagineのインターフェース:Featured Templatesと「Type to imagine」入力欄

日本語プロンプト例(コピーして使えます)

以下の5例は「被写体+動作+シーン+スタイル+技術的な詳細」の順にまとめています。Imagineに貼り付けて、必要に応じて名詞などを変えてください。

1. キャッチコピー入りのSNS投稿画像

木のテーブルに置かれた湯気の立つハンドドリップコーヒー、横には開いたノート、朝の窓辺から自然光、温かみのある色調、ミニマルなスタイル、画像上部に英語で大きく「Good Morning」、正方形の構図

2. 商品写真

薄いグレーの大理石の台に置かれた白いワイヤレスイヤホン、柔らかなスタジオ照明、すっきりと余白のある背景、高解像度の商品写真風、45度の俯瞰撮影

3. イベントポスター

レトロな旅行ポスター風、台湾東海岸の朝の海、遠くに緑の山並み、画面下部に「Taitung Summer」と入れる余白、太字のサンセリフ体、暖かいオレンジと濃い青の配色、縦長の構図

4. イラストのキャラクター

丸い眼鏡をかけた小さなペンギンが机でノートパソコンを使っている、日本の水彩イラスト風、柔らかなパステルカラー、背景には本がぎっしり並んだ本棚、温かくかわいらしい雰囲気

5. 短動画

上空からカメラがゆっくり台北101に近づく、夕日が沈み、街の明かりが一つずつ灯る、映画のようなカメラワーク、穏やかな街の環境音、16:9の横長

画像内の繁体字中国語の精度について、公開された体系的な検証データはありません。中国語のコピーを入れる前に何枚か生成して確かめてください。結果が気に入らなければ、同じ会話で「背景を夜景に変えて」「文字をもっと大きく」などと追加指示できます。

無料版で画像生成できる?

できますが、上限があります。 2026年10月12日から、The X SubscriptionのFreeプランで毎日Imagineの画像生成が使えます(枚数は非公表)。動画生成はPremium以上の有料プランのみです(公式発表)。

それ以前には課金画面の時期がありました。2026年3月から、無料版でImagineを開くとサブスクリプションの案内が出るとの報告があり(xAIは正確な日付を公表していません)、この変更は2026年初頭のdeepfake問題と直結しています(後述)。「Grokは無料で画像生成できない」という記事の多くは、この時期に書かれたものです。

料金

画像生成だけなら有料プランは必須ではなく、枠を増やしたいときや動画を作るときに加入します。新規加入はThe X Subscriptionのみです(公式料金ページ、2026年10月14日確認、米ドル・税別):

  • Free(US$0):1日あたり限られた画像生成、動画なし。
  • Plus(US$8):画像生成枠が増える、動画なし。
  • Premium(US$30):AI動画が加わり、利用枠はPlusの4倍。
  • Super(US$100)/Ultra(US$200):利用枠はPlusの15倍/50倍。

旧SuperGrokプランとX Premium各プランは新規受付を終了しており、既存の加入者は料金も機能もそのまま使えます。有料プランのChat、Imagine、Voiceは週ごとの共通利用枠から消費されます。xAIは画像生成枠を公表していないため、最新の内容はgrok.comで、地域ごとの料金は決済画面で確認してください。

The X Subscriptionのプラン比較画面。Free、Plus、Premium、Super、Ultraなどのプランを掲載(x.ai公式料金ページより)

API利用の場合、標準モデルは1枚あたり約US$0.02、Proモデルは約US$0.07(公式の最新価格で確認してください)。

できること

テキストから画像生成

テキストプロンプトを入力してアスペクト比を選ぶと、約3〜5秒で画像が出てきます。主流のAI画像生成ツールと比べても生成速度は速いほうです(公式情報では最大2K解像度。実際の選択肢はインターフェースで確認してください)。Image 2.0ではsmart resizeも追加され、選んだ比率に合わせて画面を自動で補完できます。

画像内テキストの描画がAuroraの際立った強みです。広告コピー入りのポスターや、ブランド名が入った製品画像を作るとき、Auroraの文字精度は拡散モデルのツールより一段上です。日本語テキストの描画精度については公開された系統的な検証がないため、実際に試して確認することをおすすめします。

画像編集・スタイル変換

Image 2.0では参考画像を一度に最大5枚アップロードし、スタイル変換や特定要素の置き換えができます。魔法の杖を使った部分編集、自動背景削除、商品写真やプロフィール写真のテンプレートも追加されました。たとえば製品写真をアップして、それを水墨画スタイルに変換したり、背景だけ別のシーンに差し替えたりする使い方です。Photoshop系のAIツールと比べると編集の深さは浅めですが、チャット画面の中で完結するのは直感的です。

短動画生成

Imagineタブにプロンプトを入力すると動画も生成できます:

  • プラン:新規加入で動画を作るにはPremium以上が必要。プランごとの長さや解像度は公式に記載がないため、アプリで確認
  • 旧プランの仕様:旧SuperGrokのプランページ(2026年9月29日確認)では最長30秒・720p、SuperGrok Plus以上は1080p。フレームレートは24fps
  • 生成時間:Video 1.5 Fastは6秒・720pの動画を約25秒で生成
  • テキストだけで生成できるほか、参考画像や音声を入力すると動画間でキャラクターの外見や声を揃えられます(公式発表)

Klingのような専門の動画生成ツールと比べると、モーションの滑らかさで差があります。この差は今のところ明らかです。Grokの動画機能の強みは、チャット画面との統合にあります。Grokと話している同じ画面でプロンプトを打つだけで動画が出てくる気軽さは、入門ハードルが低い。

2026年6月のVideo 1.5以降、効果音・環境音・セリフも映像と一緒に生成されます(公式発表)。

deepfake問題とコンテンツポリシー

2025年末から2026年初頭にかけて、Grok Imagineが無断deepfake画像の大量生成(被害者は主に女性や著名人)に使われたとして広く批判を受けました。問題が広がる中でxAIは1月9日に画像生成を有料ユーザー限定に変更してコンテンツフィルターを大幅に強化しました。その後、無料版では3月から段階的に画像生成が使えなくなったとの報告がありますが、xAIは正確な日付を公表していません。10月12日のThe X Subscription移行後、Freeプランでは再び1日あたり限られた画像生成ができるようになりました。

この経緯が、2026年のGrok Imagineの現在地を定義しています。より厳しいNSFWフィルター、許容範囲の縮小、そして動画は有料プランのみ。

Grokはかつて比較的ゆるい生成ポリシーで知られており、制限を回避する方法を説明するサードパーティ記事が多数存在します。現在はほとんどのそういった手法がxAIのToSに違反しており、アカウント停止のリスクがあるため、ここでは取り上げません。

xAIのコンテンツポリシーは継続的に更新されています。詳細は docs.x.ai と x.ai/news の公式発表を確認してください。

他ツールとの比較

Grok ImagineMidjourneyKling
画像内テキスト強い弱めn/a
アートスタイル普通強いn/a
写実的な写真風強い強いn/a
画像編集の深さ浅め中程度n/a
動画の長さ1本最長30秒(旧SuperGrokプラン)n/a1本最長15秒(Kling 3.0)、延長して最大3分
動画品質普通n/a強い
X連携ネイティブなしなし
利用コスト画像は無料枠あり、動画は有料有料有料

判断の基準をまとめると:

Grok Imagineを選ぶとき:もともとGrokを使っていて、画像内テキストが正確に出てほしい、またはXへの投稿と画像生成を一つのフローにまとめたい場合。

動画は専門ツール(Klingなど)を選ぶとき:複数の動画をつないで長尺にしたい、またはモーションの滑らかさを重視する場合。Grokの動画機能はまだ初期段階です。

アート系画像はMidjourneyを選ぶとき:アートディレクションの細かいコントロール、スタイルの一貫性、高度な画像編集が必要な場合。

まとめ

Auroraの画像内テキスト描画は、マーケティング的な誇張ではなく本物の差別化ポイントです。このアーキテクチャの選択により、キャッチコピー入りのバナー、情報グラフィック、テキスト入りのSNS画像といった用途で、同類のツールより明らかに使いやすい。Canvaで後からテキストを重ねなくていい。

動画機能の現在地は「使えるけど感動はない」というレベルです。Klingのような専門ツールはこの領域でかなり先に出ており、Grokの短動画はビジュアルアイデアを素早く検証するのには使えますが、最終的な動画コンテンツのアウトプットには向いていません。

今はFreeプランでも1日あたり限られた画像生成ができるので、まず無料で試してから有料にするか決められます。有料の理由は今のところ画像内テキスト、X連携、動画が中心なので、それらが自分の必須要件でなければ、MidjourneyやほかのAI画像生成ツールのほうが合理的な選択になるかもしれません。有料にするなら、画像の枠が足りなければPlus、動画が必要ならPremiumを選んでください。料金は決済画面で確認できます。

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