GitHubは、開発者がコードを保管し、プロジェクトを一緒に修正していくためのプラットフォームです。毎年、開発者がこの1年に何をしたかをまとめた年次レポートOctoverseを公開しています。2026年版のタイトルは、テーマをそのまま示しています。開発者がエージェントと一緒にものを作っている、ということです。

1年間で179億回のプッシュ、過去2年分の合計を超える

まず規模から見ます。過去12か月間に、開発者がGitHubへコードをプッシュ(push、書いた変更をプラットフォームに送ること)した回数は179億回(17.9 billion)で、2024年と2025年の合計を上回りました。

GitHub自身の見方では、活動量は6月ごろから急激に増え、ちょうどエージェントが「試してみる新しいおもちゃ」から「一緒に働く仲間」に変わった時期と重なります。同じ時期に、モデルが良くなり、周辺ツールが増え、エージェントは何日にもわたって進捗を追い、クラウドで作業を実行できるようになりました。

ポイント1:プルリクエストの4割超は、エージェントが最初の草稿を書く

GitHubでは、プロジェクトを変更したい人がプルリクエスト(PR、変更の取り込み依頼)を出し、プロジェクトのメンテナーが確認してからマージします。以前は、最初の草稿は人が書くものでした。

レポートの数字では、2026年9月時点でPRの40%超がエージェントの草稿から始まっていて、3月は17%でした。これはGitHubが検出できたエージェントの関与だけを数えたものです。

レポートによると、今の最初の一手はエージェントに指示を出すことで、人はレビューを通じて、返ってきた成果をどう直すかを決めます。

身近なたとえで言うと、以前は自分で料理を作っていたのが、今は先にキッチンのアシスタントに何を作るか伝え、味見をして調整する形になっています。

ポイント2:エージェント設定ファイルのある新規プロジェクトは、コミット数が約8倍

今年新しく作られたプロジェクトのうち、エージェント設定ファイルがあるものは、ないものに比べてコミット数の平均が8倍でした。

設定ファイルとは、プロジェクトの中に置く説明書きで、AIコーディングエージェントにそのプロジェクトの進め方を伝えるものです。コミット(commit)は、変更を保存した1つのセーブポイントです。

これは2種類のプロジェクトの平均を比べたもので、設定ファイルが8倍の原因だとはレポートも述べていません。GitHubは、初日からエージェントと一緒に作っている個人やチームは、ペースが明らかに違うと見ています。

初心者にとっての実用的なポイントは、エージェントに役立ってもらうには、まずプロジェクトのルールをはっきり書いておくことです。Claude Codeから始めたい方は、Claude Code初心者ガイドをご覧ください。

ポイント3:多くの人が1つのモデルだけでは使っていない

レポートは、GitHub Copilotのユーザーがモデルをどう選んでいるかも調べています。2026年9月、自分でモデルを選んだことのあるユーザーのうち、61%が作業ごとに2つ以上のモデルを使っていました。

選ばれているモデルは3種類に分かれます。汎用型、深い推論と計画が得意なもの、速くて軽量なものです。計画、実装、確認では、それぞれモデルに求めるものが違うため、開発者は作業に合わせてモデルを選び、1つのモデルだけに賭けません。

これは、複数のエージェントで分担するという考え方にもつながります。詳しくはマルチエージェント協調フレームワークとはをご覧ください。

ポイント4:ソフトウェア業界以外の人も、エージェントでものを作っている

レポートが公開プロジェクトを業界別に集計したのは、今回が初めてです。鉱業、建設、医療、農業に関わるプロジェクトは、2022年以降それぞれ数倍に増えました。

レポートが挙げる例は、次の3つです。

  • 製造業の小さなチームが、工具の写真からぴったり合うカスタム3Dプリント用の引き出し整理ケースを作る方法を作った
  • コペンハーゲンの大学の研究室が、遊ぶニワトリの動画を分類するパイプラインを作った
  • ある小説家が、入力するそばから原稿が本のレイアウトに見える無料アプリを作った

レポートによると、問題に一番近い人が自分で解決策を作り、エージェントがそばで手伝っています。

ランキングの新顔は、AIコーディングツールが中心

レポートは、今年コントリビューター数の伸びが大きかったプロジェクトを挙げています。企業が出しているプロジェクトでは、Anthropicのclaude-code、OpenAIのcodex、GitHubのcopilot-cli、Googleのgemini-cliがランクインしました。レポートによると、これらは開発者が直接使うツールが中心で、AIコーディングエージェント、エディター、エージェントを組み合わせて動かす周辺プログラムなどが含まれます。

変わらないこと

レポートは最後にこう述べています。活動量がどれだけ増えても、コードに何をさせるかを決めるのは誰か、という点は変わりません。アイデアを出す人が必要で、それが動くか、取り入れるべきかを判断する人も必要です。

初心者向けに一言でまとめると、エージェントが手を動かし、あなたは何がほしいかをはっきり伝え、返ってきたものを理解する役割です。エージェントに権限を渡す前に、リスクを知っておきたい方はAI Agentのセキュリティリスクをご覧ください。