Reason MachinesはAIコーディングツールを作る会社で、公式サイトのトップページにはY Combinatorの支援を受けていると表示されています。主力製品はReasonというコーディングエージェントです。コーディングエージェントとは、作業を任せると、自分でコードを読み、コマンドを実行し、ファイルを編集して、結果をまとめてレビュー用に渡してくれるAIエンジニアのことです。
トップページのキャッチコピーは「All your agents. One team.」です。すでに使っているClaude CodeやCodexを置き換えるのではなく、それらのツールを一緒に動かせるようにするのが狙いです。
Reason Machinesは何をしているのか
現在、事業の柱は2つあります。
- Reason:自社のコーディングエージェント。
- Reason Network:異なるAIツール同士を通信させるためのネットワーク。
Reasonの使い方
Reasonには、Web版、Macのデスクトップアプリ、ターミナルのコマンドがあります。公式によると、同じセッションをWebとiOSで開けます。
タスクは2か所で実行できます。
- 自分のパソコン:Reasonの判断はクラウドで行われ、コマンドは自分のパソコン上で、手元のファイルと権限を使って実行されます。
- Reasonのクラウドコンピューター:タスクごとに専用のマシンが割り当てられるので、自分のノートパソコンを占有しません。長時間かかる作業や、たくさんの作業を同時に走らせたいときに向いています。
ターミナルでの使い方は簡単です。インストールしたらreason "やりたいこと"と入力すると、デフォルトでは今いるフォルダで作業します。--cloudを付けると、クラウドコンピューターで実行されます。
トップページにはデモがいくつか載っています。ゲームのバグを直してマージする例、社員ごとのAI利用費を示すダッシュボードを作る例、SlackでReasonにメンションして四半期報告のスライドと元データをまとめてもらう例です。これらは公式が見せている例であり、実際の効果を保証するものではありません。
公式の説明では、Reasonは専用のブランチで作業し、プルリクエストを出します。リポジトリ既存のブランチ保護や必須チェックはそのまま有効で、マージするかどうかはあなたが決めます。トップページには「Zero data retention」とSOC 2(企業向けのセキュリティ認証)も掲げられていますが、いずれも公式の自己申告です。
Reason Network:異なるAI同士でメッセージをやりとりする
今は、AIツールを1つだけでなく複数使っている人が多いはずです。パソコンにはClaude Code、別のプロジェクトにはCodex、スマートフォンにはGrok Botといった具合です。互いの存在が見えないまま、それぞれ別々に動き、ときには同じファイルを同時に書き換えてしまうこともあります。
Reason Networkは、この問題を解決するためのものです。公式が挙げている対応ツールは、Claude Code、Codex、Cursor、Gemini CLI、Copilot CLI、opencode、Piに加え、Grok Bot、Muse、Dotsといったクラウド型のアシスタントです。接続すると、各AIにいくつかのシンプルな機能が加わります。
- ネットワーク上でオンラインのAIが誰か、それぞれどのプロジェクトのどのブランチにいるか、作業中かどうかを確認する
- 別のAIにメッセージを送る。返信は自分の会話に戻ってくる
- 他のAIから届いたメッセージを読む
- 必要に応じてポップアップで質問する(パソコン上のAIのみ)
実用上のメリットは2つあります。1つ目は作業の分担です。たとえば、クラウド上のGrok Botに、パソコン上のClaude Codeへ作業を頼んでもらう、といった使い方ができます。2つ目は、同じ箇所を同時に書き換えてしまう事態を避けられることです。自分のAIも同僚のAIも、お互いにどこを編集しているかが見えるので、確認してから手を付けられます。
公式によると、参加方法は、Claude CodeやCodexなどのコーディングエージェントのチャット欄に、次の1行を貼り付けるだけです:Join the Reason Network: https://reasonmachines.com/network。ドキュメントには、この操作でReasonのコマンドラインツールがパソコンにインストールされると書かれています。貼り付ける前に、提供元を信頼できるか確認してください。
公式が示しているポイントは次のとおりです。
- 無料で、カードの登録もプランの契約も不要。Google、GitHub、Apple、メールアドレスでログインできる
- メッセージをやりとりするネットワークエンジンはオープンソース(MITとApache 2.0)だが、設定を行うReasonのコマンドラインツールは無料で使えるもののオープンソースではない
- パソコン間の通信はエンドツーエンドで暗号化されており、招待リンクを持つ人だけが参加できる
公式が発表した成績の見方
Reason 1.1の発表記事によると、OpenAIのGPT-6 Astraモデルと組み合わせた場合、Reasonは業界でよく使われるコーディングエージェントの評価で、Codexをわずかに上回るスコアを出し、1問解決あたりのコストは約22%低いとされています。
注意点が2つあります。1つ目は、これはReasonが自分で評価を再実行した結果であり、記事には評価を行っているArtificial Analysisの公式結果ではなく、同社が審査も承認もしていないとはっきり書かれていることです。2つ目は、評価のあとでArtificial Analysisが評価のバージョンを変更しており、公式も新旧のスコアは直接比べられないと注意していることです。
スコアよりも覚えておきたいのは、記事の中心的な主張です。同じAIモデルでも、入れる「ハーネス」(モデルのために道具や指示を用意するプログラムの層)が違うと、コストが最大で5倍も変わるというものです。Reasonの方法は、モデルに短いプログラムを1つ書かせて、検索、ファイル読み込み、テスト実行を一度にまとめて行わせ、やりとりの往復を減らすことです。さらにコンテキストを固定して、キャッシュが効きやすくしています。
向いている人と、知っておくこと
向いているのは次のような場面です。
- すでにAIコーディングツールを2つ以上使っていて、連携させたい
- 1つのツールの利用枠を使い切ったので、別のツールに切り替えて続けたい。公式サイトのガイドページには、ReasonにChatGPTのPlus、Pro、Businessプランでログインして、OpenAIのモデルを動かせると書かれています
- チームの何人もがそれぞれ自分のAIを使っていて、誰がどこを編集しているか知りたい
気を付けたい点は次のとおりです。
- 公式サイトのガイドや比較記事は会社自身が書いたもので、自社製品に有利な立場で書かれている
- トップページにはReason自体の料金が載っていないので、使う前に公式ページでプランを確認する
全体として、Reason Machinesの強みは、AIツールが増えていく中でそれらをつなぐことであり、新しいAIエンジニアをもう1つ増やすことではありません。まず試すなら、無料のReason Networkから始めるのが手軽です。
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