Appleの「Surprise and Shine」発表会が終了しました。iOS 27の最大の変更点は、Siriが一から作り直され、「Siri AI」になったことです。Apple Intelligenceは正式に繁体字中国語に対応します。Apple初の折りたたみ機iPhone Duoは、10月23日に台湾と日本を含む第1波の市場で発売されます。
この記事では、発表会で確認されたAI機能とiPhone Duoの仕様をすべてまとめます。いずれもAppleが公式に発表した情報です。
Siri AI:一から作り直された音声アシスタント

今回の変更は単なる「アップグレード」ではありません。Appleは自社のFoundation ModelsにGoogle Geminiの技術を組み合わせ、SiriをSiri AIとして一から作り直しました。従来のSiriとは大きく異なります。
あなたの情報を覚えている
Siri AIは、メール、メッセージ、写真、メモを検索できます。「先週、弟がすすめてくれた映画のタイトルは何?」と聞けば、あなたのデータから探し出してくれます。これまでのSiriは、過去に何を話したか、どんなメールを受け取ったかを知りませんでした。Siri AIでようやくその部分が補われます。
画面の内容を理解する
写真を開いて「ここはどこで撮ったの?」と聞けば、Siri AIが画面を認識して答えてくれます。外国語のメニューを見て「これを翻訳して」と言うだけでも構いません。画面上の文字も画像も、すべて読み取ります。
代わりに操作してくれる
Siri AIはアプリをまたいで作業できます。メールを書いたり、カレンダーに予定を追加したり、写真を整理したりすることが可能です。電話中には、関連する確認コードや予約情報を自動で表示します。Appleだけでなく、サードパーティの開発者も自分のアプリをこの仕組みに対応させられます。
これは、Siriが「質問に答えるだけの機械」から「AIアシスタント」へ変わる重要な一歩です。単に質問へ答えるだけでなく、実際に操作を始めます。
専用アプリと会話の同期
Siri AIには専用アプリが用意され、以前何を尋ねたかを振り返れます。iCloudで同期されるため、iPhoneでの会話をMacでも確認できます。
Write with Siri
従来のWriting Toolsに代わる機能です。どの入力欄でもSiriを呼び出して、文章の下書きや修正、トーンの調整を頼めます。あなたの文章の書き方を学習し、使うほど本人が書いたような文章になります。連絡先ごとに返信のスタイルも別々に合わせます。
音声をカスタマイズ
Siriの話す速さや、声の明るさを調整できます。アメリカ英語は7種類、イギリス英語は4種類の音声から選べます。この機能にはデバイス上でAIモデルを処理する性能が必要で、iPhone 17 Pro、iPhone Air以降、またはM4チップ以降のiPadとMacに限定されます。
いつ使えるのか
Siri AIはiOS 27と同時には提供されません。2026年後半にパブリックベータとして公開され、利用にはウェイトリストへの登録が必要です。現在は英語のみ対応し、10月にフランス語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語が追加されます。
中国語はどうでしょうか。Appleは何も発表していません。
EUのiPhoneとiPadでは、デジタル市場法(DMA)のためブロックされます。MacとVision Proでは利用できます。中国でも規制上の制限により、当面は利用できません。
Apple Intelligence:今年追加された機能

まずは朗報です。Apple Intelligenceの基本機能が正式に繁体字中国語に対応します。もうシステム言語を英語に切り替える必要はありません。対応言語には日本語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など、合計16言語が含まれます。
Image Playgroundがリアルな画像に対応
Appleの画像生成ツールが、ついにリアルな写真風の画像を作れるようになります。もう漫画のような画風だけではありません。簡単な画像はiPhone上で処理し、リアルな画像はPrivate Cloud Computeに送って処理します。AIが生成した画像にはすべて見えないSynthIDの電子透かしが入るため、実在する写真として広まるのを防げます。
1日の利用回数には制限があります。iCloud+の有料プランでは、より多く利用できます。
写真のAI編集に3つの新機能
- Extend(拡張):写真の外側まで広げます。近づきすぎて撮ったクローズアップ写真に、周囲の環境をAIが補います
- Spatial Reframe(空間リフレーム):指でドラッグして、撮影角度を変えたように見せます。単なるトリミングではなく、AIが新しい視点を生成します。すべての写真で利用できます
- Cleanupの強化:不要なものをより自然に消せるようになりました。高速モードと高品質モードを選べます
Visual Intelligenceがカメラに統合

Visual Intelligenceは独立したCamera Controlボタンからメインのカメラアプリへ移り、「Siriモード」になりました。食べ物を撮影すれば栄養成分を分析し、名刺を撮れば連絡先を自動で作成します。気になる商品を撮影すれば、どこで買えるかを検索できます。撮影後、そのままSiri AIと会話して詳しく質問することも可能です。
Safariのスマート機能
- タブの自動分類:開きすぎたタブをテーマごとに整理します
- ウェブページの変更通知(Notify Me):商品ページを追跡し、値下げや再入荷のときに通知します
- 自然言語による拡張機能:欲しい機能を普通の言葉で説明すると、Safariが拡張機能を自動生成します
自然な言葉でショートカットを作成
自動化の流れを書けなくても大丈夫です。話すだけで作成できます。Shortcutsに「iPadにキーボードを接続したら自動でメモを開いて」や「フードデリバリーがもうすぐ届くときに玄関のライトをつけて」と伝えると、Apple Intelligenceが自動で組み立てます。AI自動化について詳しく知りたい場合は、AI自動化ツールの比較も参考にしてください。
パスワードを自動で強化
パスワードアプリがすべてのアカウントをスキャンし、弱いパスワードや漏えいしたパスワードを見つけます。ワンタップで修復すると、Safariがウェブサイトを開き、ログインし、パスワード変更ページを見つけ、強力なパスワードを生成して保存します。パスキーに対応するウェブサイトでは、直接パスキーに置き換えます。処理はすべてデバイス上のNeural Engineで行われ、クラウドには送信されません。
Audio Intelligence:Apple WatchのAI新機能
今年のApple Watchには、2つの独立したAI機能が追加されました。Series 12とUltra 4のみ対応します。
Siri Recap:会議、保護者会、医師との相談が終わった後、Apple Watchが会話の要点とTo Doを自動で整理します。文字起こしは行わず、元の音声も保存しません。重要な情報だけを取り出した後、音声ファイルを削除します。
Live Rewind:会話中にDigital Crownを素早く2回押すと、直前15秒の会話が画面にテキストで表示されます。聞き取れなかったときに便利です。
プライバシーはどう守られるのか:Private Cloud Compute
Apple Intelligenceの処理は2つの層に分かれます。
- デバイス上の処理:iPhone上で実行できるものはiPhone上で処理し、データをデバイスの外に出しません
- Private Cloud Compute(PCC):大量の計算が必要なタスクをAppleのクラウドサーバーに送り、Google TPUのハードウェアを使います。ただし、安全な仕組みとプライバシー保護はAppleが管理します
ChatGPTやClaudeのクラウドモデルとは異なり、Appleはプライバシー保護をインフラの一部として組み込んでいます。今年は開発者向けフレームワークも開放され、サードパーティがPCC上で独自モデルを実行できるようになります。小規模企業には無料枠も用意されます。
実際にどの程度プライバシーが守られるのかは、独立したセキュリティ研究者による検証を待つ必要があります。
iPhone Duo:Apple初の折りたたみiPhone

外観
本のように開く折りたたみ式で、Grade 5チタニウムのボディに鏡面仕上げを施しています。ヒンジには100個を超える部品を使い、3Dプリントされたチタニウム製の外装を採用しています。開いた状態ではわずか4.5mmで、Apple史上最薄のデバイスです。折りたたむと9.5mmになります。IP68の防水性能(6メートルで30分)を備え、前面ガラスにはCeramic Shield 2を採用。傷への強さは前世代の3倍です。
カラーはStar WhiteとNight Skyの2色です。
ディスプレイ
| 内側ディスプレイ | 外側ディスプレイ | |
|---|---|---|
| サイズ | 7.6インチ | 5.4インチ |
| 種類 | Super Retina XDR OLED | Super Retina XDR OLED |
| リフレッシュレート | ProMotion 120Hz | ProMotion 120Hz |
| ピーク輝度 | 3,000 nits | 3,000 nits |
| Always-On | 対応 | 対応 |
内側ディスプレイにはnano-textureのマット加工を施し、反射と折り目の見えやすさを抑えています。ディスプレイの下にはフロントカメラを埋め込んでいます。外側ディスプレイの面積はiPhone 18 Proの約90%で、普段使いには十分です。
性能
A20 Proチップを搭載し、TSMCの2nmプロセスで製造されています。iPhone 18 Proと同じチップです。6コアCPUはA19 Proより20%高速で、7コアGPUは40%高速です。16コアNeural Engineを2基搭載し、AI処理性能は前世代の2倍になりました。メモリは12GBで、帯域幅は50%向上しています。
カメラ
- メインカメラ:4,800万画素Fusion、ゼロシャッターラグ、光学式手ぶれ補正、2倍光学ズーム内蔵
- 超広角:4,800万画素Fusion、マクロ撮影対応(iPhone 18 Proと同じモジュール)
- 動画:4K 120fps Dolby Vision、Cinematic 60fps
独立した望遠カメラはありません。カメラハードウェアはiPhone 18 Proの3眼システムと比べて、1基少なくなっています。
折りたたみ機専用の機能:
- Smart Take:全員がカメラを見る瞬間をAIが検出し、自動でシャッターを切ります
- Duo Preview:背面カメラで自撮りするとき、外側ディスプレイにプレビューをリアルタイム表示します。撮られる人も構図を確認できます
- Kid Cue:外側ディスプレイでPeanutsのアニメーションを再生し、子どもがカメラを見るよう促します
バッテリー
2つのバッテリーを搭載し、折りたたみの左右に1つずつ配置しています。動画再生時間は、外側ディスプレイのみで44時間、内側ディスプレイのみで31時間、混合使用で24時間です。有線充電では20分で50%、MagSafeワイヤレス充電では30分で50%まで充電できます。
その他の仕様
- 側面ボタンのTouch ID、Face IDは非搭載
- 世界共通でeSIMのみ対応
- C2 Apple独自通信チップ、Wi-Fi 7、Bluetooth 6
- iPhone Handoff:2台のiPhoneで同じ電話番号を共有(第1波では米国のT-MobileとドイツのTelekomに対応)
価格
| 容量 | 米国価格 | 台湾ドル換算 |
|---|---|---|
| 256GB | 1,999ドル | 約63,000台湾ドル |
| 512GB | 2,199ドル | 約69,000台湾ドル |
| 1TB | 2,599ドル | 約82,000台湾ドル |
| 2TB | 3,199ドル | 約101,000台湾ドル |
アクセサリは、スタンド付きのDuo Folioケースが129ドル、Duo Caseが79ドルです。
発売日
10月16日に予約注文を開始し、10月23日に発売します。台湾と日本を含む70以上の国と地域が第1波の発売リストに入っています。第2波では10月30日に28の国と地域で発売されます。iOS 27.1を搭載して出荷されます。Apple Pencil(USB-C)の対応は2026年後半に追加されます。
折りたたみ大画面でAIはどう使いやすくなるのか

iPhone Duoの7.6インチディスプレイは、単に「大きくなったiPhone」というだけではありません。iOS 27のいくつかの機能は、大画面で使うとまったく別のものになります。
Split View:iPhone初の画面分割
iPhoneで初めて、2つのアプリを横に並べられます。左側でメールボックスを開き、右側でSiri AIに返信の下書きを作ってもらえます。左側でレポートを読みながら、右側でSiriに「この内容の要点は何?」と尋ねることも可能です。同じアプリで2つのウィンドウを開くこともでき、Safariなら左右に別々のタブを表示できます。
よく使うアプリの組み合わせは保存でき、次回からワンタップで開けます。
画面のもう半分にSiri AI
Siri AIの「画面を理解する」機能は、大画面ならより多くの内容を読み取れます。7.6インチでは表示範囲が広いため、Siriが受け取れる文脈もより完全になります。片側で内容を見ながら、もう片側でSiriと会話でき、画面を切り替える必要がありません。
Visual Intelligenceの大きなキャンバス
外国語のメニューを撮影すると、翻訳結果を7.6インチの画面で一度に確認でき、上下にスクロールする必要がありません。栄養分析や名刺のスキャンも、画面が大きいことでさらに使いやすくなります。
StandByとApple Pencil
StandByモードは、電源に接続しなくても起動でき、内側と外側のどちらのディスプレイでも使えます。Apple Pencilへの対応は後日追加される予定で、その時点では7.6インチの画面に直接手書きでメモを取ったり、書類に注釈を付けたりできます。
Duoと18 Pro、どちらを買うべき?
| iPhone Duo | iPhone 18 Pro | |
|---|---|---|
| 価格 | 1,999ドルから | 1,199ドルから |
| ディスプレイ | 7.6インチ+5.4インチ | 6.3インチ(Pro Maxは6.9インチ) |
| チップ | A20 Pro | A20 Pro |
| カメラ | 2眼、48MP+48MP | 3眼、48MP×3、可変絞り |
| 認証 | Touch ID | Face ID |
| 発売日 | 10月23日 | 9月18日 |
| Split View | 対応 | 非対応 |
Duoが向いている人:
- スマートフォンで書類を扱ったり、長い文章を読んだりすることが多く、画面がいつも小さいと感じる
- iPad miniの代わりになるデバイスが欲しい
- 2つのアプリを同時に動かせると便利
- 6万台湾ドル以上の予算を出せる
18 Proのほうが向いている人:
- 写真を優先する(3眼カメラに加え、f/1.48〜f/4の可変絞りがあり、非常に強力です)
- iOS 27のAI機能を18 Proでも同じように使いたい
- Face IDに慣れている
- 価格がほぼ2倍になるのは避けたい
iOS 27のAIアップグレードはソフトウェアの話であり、iPhone 15 Pro以降ならほとんどの機能を利用できます。iPhone Duoが提供するのはAIではなく、大画面とSplit Viewによる使い方の変化です。
iOS 27のAI機能に対応するモデル
| 機能 | 最低限必要なハードウェア |
|---|---|
| iOS 27の基本アップデート | iPhone 11 / iPhone SE(第2世代)以降 |
| Apple Intelligence(繁体字中国語を含む) | iPhone 15 Pro(A17 Pro)以降 |
| Siri AI音声アシスタント | iPhone 15 Pro以降 |
| Siri音声のカスタマイズ | iPhone 17 Pro / iPhone Air以降 |
| Visual Intelligence | iPhone 15 Pro以降 |
| Image Playground | iPhone 15 Pro以降 |
| Split View画面分割 | iPhone Duo専用 |
| Audio Intelligence / Siri Recap | Apple Watch Series 12 / Ultra 4 |
いつ買えるのか
| 製品 | 予約注文 | 発売日 |
|---|---|---|
| iOS 27 | — | 9月14日 |
| iPhone 18 Pro / Pro Max | 9月12日 | 9月18日 |
| AirPods 5 | 受付中 | 9月18日 |
| Apple Watch Series 12 / Ultra 4 | 受付中 | 9月18日 |
| iPhone Duo | 10月16日 | 10月23日 |
言語対応:
- Apple Intelligence(作文ツール、画像生成など):繁体字中国語、簡体字中国語、英語など16言語に対応し、iOS 27と同時に提供
- Siri AI:まずは英語。2026年10月にフランス語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語を追加。中国語の時期は未定
台湾のユーザーがApple Intelligenceの基本機能を使うために、システム言語を英語へ切り替える必要はありません。ただし、Siri AIを有効にするにはSiriの言語を英語に設定する必要があります。日本のユーザーも、Apple Intelligenceの日本語対応機能を同じように利用できます。
iPhone Duoの7.6インチディスプレイとSplit Viewは、現在のiPhoneでAIを使うための最高の組み合わせです。ただ、6万3,000台湾ドルを出して初代の折りたたみ機を買う価値があるかは、その大画面をどれだけ必要とするかで決まります。10月23日に台湾と日本で発売された後、この記事では実際に使った感想を追記します。