2026年、Googleの親会社Alphabetは1,950億〜2,050億ドルの設備投資(CapEx)を見込んでいます。これは2022年の6倍以上で、そのほぼすべてがAIのデータセンター、サーバー、チップに投じられます。まずGoogleという会社を知りたい方は、Googleとはどんな会社かをご覧ください。
本記事では三つのことを解きほぐします。資金がどこへ使われるのか、市場が何を心配しているのか、そしてなぜこの勘定ははっきり見えないのか。
この支出はどれほど大きいのか
| 年度 | 設備投資 |
|---|---|
| 2022 | 約310億ドル |
| 2023 | 約323億ドル |
| 2024 | 約525億ドル |
| 2025 | 約914億ドル |
| 2026(ガイダンス) | 1,950億〜2,050億ドル |
2026年のガイダンスは7月に1,800億〜1,900億ドルからさらに引き上げられ、第2四半期だけで約449億ドルを使いました。経営陣は2027年も「大幅に増える」と述べていますが、数字は示していません。
資金はどこへ使われるのか
CFOが2026年第1四半期の決算で示した内訳によると、約6割がサーバー、4割がデータセンターとネットワーク設備です。サーバーには自社開発のTPU、外部調達のNvidia GPU、自社開発のAxion CPUが混在しており、それぞれの金額は公表されていません。
電力ももう一つのボトルネックです。Googleは2026年初頭に、クリーンエネルギーとデータセンターのインフラ企業であるIntersect Powerを買収し、10月にはConstellationと20年間の電力購入契約を結んで、890 MWの原子力発電容量を新たに確保しました。
これだけ使っても、コンピュートはまだ足りません。CNBCなどの報道によると、Googleは2026年10月からSpaceXに毎月約9.2億ドルを支払い、約11万個のNvidia GPUを借りています。会社はこれを「つなぎのコンピュート」と呼んでいます。
市場は何を心配しているのか
一つ目はキャッシュです。2026年第2四半期、Alphabetのフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローから設備投資を差し引いたもの)はマイナス59億ドルで、CFOは今後も圧迫が続くと述べています。ただし過去12か月の合計はなおプラスで、約533億ドルです。同年6月、Alphabetは800億ドル規模の新株発行による資金調達計画を発表し、バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)も100億ドルの引き受けに同意しました。Googleでさえ市場から資金を調達するところに、この投資の規模が表れています。
二つ目は減価償却です。購入したチップや建設したデータセンターは、今後数年にわたって毎年費用として計上されます。2026年第1四半期の減価償却費はすでに前年比約45%増で、CFOは今後も利益を圧迫し続けると予告しています。
もう一方の面:需要は本物だ
2026年第2四半期、Google Cloudの売上高は248億ドルで前年比82%増、営業利益率は約35.6%でした。検索とその他の売上高も前年比17%増です。
クラウドの受注残高(バックログ。契約済みでまだ計上されていない売上高)は5,140億ドルに達し、約半分が24か月以内に売上高として計上される見込みです。大半はなお通常のクラウド契約ですが、TPUのハードウェア販売も含まれます。GoogleはTPUシステムの納入を第2四半期に始めており、関連売上高の大部分は2027年に計上される見込みです。
なぜこの勘定ははっきり見えないのか
Alphabetの決算には「AI事業」という項目がなく、AIの貢献は検索とクラウドの成長の中に隠れています。会社は成長率を公表します。例えば2026年第1四半期には、クラウドのうちGeminiを基盤とする製品の売上高が前年比で約8倍になったと述べましたが、絶対額や基準値は公表していません。これはGoogleに限った話ではありませんが、「AIがGoogleにどれだけ稼がせたか」は推定するしかなく、正確には算出できません。
公式な説明を待つ部分
- 設備投資の内訳:6割がサーバー、4割がデータセンターとネットワークという点のみ公表されており、TPU、GPU、CPUにそれぞれいくら使ったかは示されていません。
- AIの絶対的な貢献:成長率のみで、基準となる金額はありません。
- 受注残高の構成:TPUハードウェア販売が占める割合は公表されていません。
- 2027年の設備投資:「大幅に増える」とだけ述べ、数字はありません。
小企鵝(Penchan)のまとめ
この勘定が問うているのは時間です。Googleの論理は今コンピュートを築かなければ、将来の入場券はないというものです。市場の懸念は、減価償却と電気代が先に利益とキャッシュを食い潰すことです。両者は同時に正しくあり得て、違いはどちらが先に来るかだけです。
注目すべきは、今後数四半期、クラウドと検索の収益化のスピードが減価償却と設備投資に追いつけるかどうかです。答えは四半期ごとの決算で明らかになっていきます。